台湾の古都、台南。
「美食の街」と呼ばれ、台北とは違ったのんびりした空気が流れる、私が大好きな台湾の街です。
台南の観光スポットといえば、台南孔子廟や安平、林百貨店などが有名ですが、今回紹介するのは、美しい建物が魅力の「司法博物館」です。
ガイドブックにはあまり詳しく紹介されていない穴場の観光スポットで、実際訪れてみて、ぜひ日本の観光客の方にも行っていただきたいと思いました。
台南旅行を計画している方、台湾や台南に興味のある方の参考になればうれしいです。
私が台南旅でお世話になったガイドブックはこちら。
司法博物館の歴史
日本統治時代の1914年、日本の建築家、森山松之助によって完成された「旧台南地方法院(地方裁判所)」。
総統府、国立台湾博物館と合わせ、日本統治時代の三大古典建築と呼ばれる、優雅な西洋風建築の建物です。
戦後も引き続き裁判所として使用されていましたが、1970年に西側の高塔が、壁の亀裂を理由に撤去されました。
2001年、新庁舎が安平に建てられ、裁判所としての役目を終えましたが、2016年修復プロジェクトにより、現在の司法博物館として蘇りました。
司法博物館の見どころ
日本統治時代の建築様式
司法博物館を訪れてまず驚くのが、その大きさと、石造りの荘厳な建築様式です。
建物の全体像を撮影するのが難しいほど広い建物の正面は、左手入口に「臺灣臺南地方法院」の文字と台湾の国花である梅の紋章。
そして建物のシンボルでもあるドームが見えます。
一方、右手入口には、裁判を表す天秤のデザインが掲げられています。
どちらの柱も美しい装飾がなされていて、バロックをはじめ、様々な建築様式が散りばめられた、見ごたえ充分の建物です。
歴史を感じる展示
入口入ってすぐ、目の前に広がるのは、美しく装飾された柱と天井がすばらしいロビーです。
3本ずつ4か所、計12本の柱で支えられたドーム部分は、荘厳な雰囲気です。
ドームの左奥には、かつての留置所があります。
どこか薄暗く、冷たい空気が流れるような独特の雰囲気がありました。
インフォメーションの前にあるのが、資料保管室です。
金庫のような厚い扉の部屋に入ると、当時の裁判資料が置かれていました。
日本製の金庫も。
6つの法廷も公開されています。
こちらの法廷では、法衣を着て記念撮影もできるそうです。
この他にも、当時の面影を残す廊下や、中庭の樹齢100年ほどのガジュマルなど、歴史を感じるスポットがたくさんあります。
また、アート作品として再現された塔や、建設当時の模型図などもあります。
屋根裏見学ツアー
1日2回、10時と15時に、マンサード屋根の屋根裏を見学するツアーが行われています。
10名定員で、インフォメーションでの予約が必要です。
私は、タイミング良く参加することができました。
中国語のみですが、ガイドさんが事前に屋根裏についての説明を、スマホの翻訳機能を使って説明してくれたので、概要を理解することができました。
まずは階段で2階に。
檜を使った階段だそうです。
建設当時のレンガや木材を、踊り場から間近で見ることができました。
ドアを開けると屋根裏が見えてきます。
屋根は美しいトラス構造になっています。
日本統治時代は、釘を使わない日本独特の工法だったそうです。
後の修復では釘を使っていましたが、博物館への修復の際、元の工法に戻したと、ガイドさんが教えてくれました。
よく見ると、日本の継ぎの工法が分かります。
また空調のため、丸い窓が開けられているのが、暑い台南ならではの工夫だそうです。
ちなみに、通路を歩くことはできず、見学のみとなっています。
また年齢などの制限もありますので、ご注意ください。
司法博物館の情報
司法博物館の開館時間は、9時~17時です。
休館日は、月曜日と旧正月・中秋節・端午などの祝祭日です。
入場料は、うれしいことに無料です!
観光客にとっては、ありがたいですね。
インフォメーションでは、日本語のパンフレットを手に入れることができますよ。
司法博物館のHP(中国語)は、こちら。
司法博物館の場所
司法博物館は、台鉄「台南」駅からタクシーで約10分のところです。
台南市美術館2館の道を挟んで向かいにあります。
林百貨店や台南孔子廟からは徒歩5分ほどなので、一緒に観光するのがおすすめです。
まとめ
今回は、台南の穴場観光スポット「司法博物館」を紹介しました。
美しい建築を見るだけでなく、台南の司法の歴史や日本との繋がりを学ぶことができる、私おすすめのスポットです。
入場無料なのもうれしいところです。
ぜひ台南に行かれた際は、訪れてみてくださいね。

