2024年6月現在、チェコには17の世界遺産があります。
その中で、今までに8つの世界遺産を訪れました。
今回は、世界遺産検定1級で、2019年よりチェコ親善アンバサダーとして活動している私が、プラハから日帰りできる世界遺産を5つ紹介します。
いずれも私がチェコ一人旅で、プラハから公共交通機関を使って、日帰りで訪れた場所ばかりです。
世界遺産が好きな方、チェコ旅行を計画している方の参考になればうれしいです。
プラハの歴史地区
まずチェコの世界遺産といえば、プラハの歴史地区(Historic Centre of Prague)ですね。一度は訪れたいと思っている人も多いのでは。
プラハは、世界で最も美しい街の1つに数えられる、歴史的建造物が立ち並ぶ古都。
旧・新市街とも、10世紀にその起源を持っています。
1992年、チェコで最初に世界遺産に登録されました。
世界遺産「プラハの歴史地区」の見どころ
世界遺産の歴史地区の中で、観光スポットしてまず挙げられるのが「プラハ城」です。
城内の聖ヴィート教会は、ミュシャ(チェコ語ではムハ)が手掛けたステンドグラスがあることでも有名です。
旧市街広場には、2本の塔が特徴的な「ティーン教会」や、天文時計の仕掛け時計が人気の「旧市庁舎塔」など、見どころがたくさん。
旧市街広場からプラハ城に向かう「カレル橋」は、30体の聖人の像が並びます。
街を歩くだけで、まるで自分が中世にいるような気分になる素敵な街です。
プラハの各スポットは、以下の記事にて詳しく紹介しています。
アクセス
旧市街の主な観光スポットは、徒歩で回ることができます。
気軽に街歩きを楽しみながら、訪れるのがおすすめです。
チェスキー・クロムロフ
チェスキー・クロムロフの歴史地区(Historic Centre of Český Krumlov)は、1992年に世界文化遺産に登録された、中世の面影を色濃く残す街です。
プラハからの日帰り旅として、観光客にとても人気があります。
世界遺産「チェスキー・クロムロフ歴史地区」の見どころ
ここでは、「チェスキー・クロムロフ城」を中心に、旧市街を散策するのがおすすめです。
城内で必見なのは、塔と庭。
塔から眺めるチェスキー・クロムロフのオレンジ屋根の街並みと、スグラフィット技法を凝らした建物の壁は、まさにフォトジェニックです。
また中庭の展望スペースからは、絶景を望めます。
城内の観光を終えた後は、旧市街を散策しましょう。
街のいろいろな場所から、眺めることができるチェスキー・クロムロフ城。
ぜひ訪れていただきたいのが、「セミナールニー公園」。
チェスキー・クロムロフ城を一望できるビュースポットです。
チェスキー・クロムロフの観光情報は、以下の記事にて詳しく紹介しています。
プラハからのアクセス
プラハからは、直通でRegiojet(STUDENT AGENCY)のバスが運行しています。
地下鉄B線アンデェル(Anděl)駅近くにある、ナ・クニーゼツィー(Na Knížecí)バスターミナルから所要約3時間です。
チェスキー・クロムロフのバス停は2か所あります。
「Špičák」バス停は、チェスキー・クルムロフ城から徒歩約10分、バスターミナルは、セミナールニー公園から徒歩約10分のところです。
なお週末や繁忙期は混み合うので、事前に予約するのをおすすめします。
テルチの歴史地区
テルチは、チェコ南部モラヴィア地方の小さな街です。
1530年の大火により街が全焼。
その再建の際、当時の市長が、中央広場の建物をルネッサンス・バロック様式に建て替えるよう規範を定めました。
家主は、規範に沿って一定の裁量が認められ、壁の破風や色など個性的な街並みが出来上がりました。現在、その当時の建物がそのまま残っています。
1992年に、テルチの歴史地区(Historic Centre of Telč)として、世界文化遺産に登録されています。
世界遺産「テルチの歴史地区」の見どころ
「モラヴィアの真珠」と呼ばれるテルチ。
歴史地区にある三角形の「ザハリアーシュ広場」は、街を代表する美しい場所です。
広場の両端に、パステルカラーの建物がずらりと建ち並び、まるで童話の世界のよう♪
建物の1階はレストランやカフェ、お土産屋さんになっています。
1軒1軒、壁の色や装飾が異なってて、見ているだけで楽しくなります。
黄色い建物は、ホテルです。
ザハリアーシュ広場から徒歩約5分にある「ウリツキー池」。
池のほとりには、「テルチ城」が建っています。
城内は、ガイドツアーにて見学可能です。
プラハからのアクセス
プラハからテルチへは、バスが便利です。
まず、フローレンツバスターミナルからイフラヴァ(Jihlava)まで、Regiojet(STUDENT AGENCY)のバスで約1時間半、イフラヴァからテルチまでは、路線バスに乗り換えて約1時間です。
STUDENT AGENCYのバスは予約席、路線バスは、乗車の際運転手さんに直接料金を支払います。
なおイフラヴァは大きなバスターミナルで、大きな待合室や表示板があるので、乗り換えも安心です。
なおテルチのバス停は、鉄道のテルチ駅に隣接していて、歴史地区はバス停から徒歩約10分のところです。
クトナー・ホラの聖バルボラ教会のある歴史地区とセドレツの聖母マリア被昇天大聖堂
クトナーホラは、チェコの中央部にある街。
13世紀後半に銀鉱脈が発見され、ボヘミア王国の財政を支える鉱山都市として発展しました。
14~15世紀に大いに栄え、今も往時の面影を残しています。
世界遺産「クトナーホラ」の見どころ
クトナーホラは、1995年に聖バルボラ教会のある歴史地区とセドレツの聖母マリア被昇天大聖堂( Historical Town Centre with the Church of St Barbara and the Cathedral of Our Lady at Sedlec)が、世界遺産に登録されました。
「聖バルボラ教会」は、ゴシック様式の後期絶頂期の傑作と言われる、チェコを代表する大聖堂です。
1388年に建設が始まり、500年以上の歳月の後に完成しました。
ゴシック様式の特徴をよく表した重厚なファサードや尖塔、アーチなどの外観は、どれも素晴らしく、堂々とした造り。
聖バルボラは炭鉱労働者の守護聖人で、壁のフレスコ画には銀採掘当時の姿が壁画に残されています。
炭鉱労働者をモデルにした像も飾られています。
またステンドグラスは、直接ガラスに絵が描かれいて、色彩が美しいのが特徴です。
セドレツ地区にある「聖母マリア被昇天大聖堂」は、13世紀にシトー会派修道院としてゴシック様式で建てられ、18世紀初めにバロック様式に改築された聖堂です。
一歩聖堂内に入ると、薄クリーム色の壁や天井が優しく迎え入れてくれます。
2階に上がると、建設当時の遺構を見学することができます。
バルコニーからの眺めが、とても素晴らしい♪
プラハからのアクセス
プラハからクトナーホラへは、電車で約1時間。
1時間に1本の割合で運行しているので、日帰り旅にピッタリです。
クトナーホラ本駅から聖バルボラ教会までは、バスが便利です。
駅前の「Kutná Hora, hlavní nádraží」から、教会の最寄りバス停「Kutná Hora, Žižkov, Kremnická」までは約20分、下車後徒歩3分で教会に到着します。
なお聖母マリア被昇天大聖堂は、バスルートの途中にあるので、途中下車して訪れるのも可能です。
ホラショヴィツェの歴史的集落
パステルカラーの妻飾りの家が立ち並ぶ、おとぎの国のような風景。
チェコを代表する美しい景観の1つで、ポスターやパンフレットで見たことがある方も多いのでは?
ホラショヴィツェは、南ボヘミア地方の小さな村で、1998年にホラショヴィツェの歴史的集落(Holašovicee Historic Village)として、世界遺産に登録されました。
日本の合掌造りの白川郷や五箇山と同じように、現在も世界遺産の中で人々が暮らしを営んでいます。
世界遺産「ホラショヴィツェの歴史的集落」の見どころ
特徴的なこれらの家屋は、18世紀から19世紀にかけて造られた「南ボヘミアンバロック様式」と言われるもので、当時の姿をそのまま残しています。
当時農民たちが、領主に土地で縛られていた暮らしから解放された時代で、自分たちの家を華やかにしたいという思いから始まったそうです。
実はこの装飾は、道路に面した外壁だけにほどこされているんです。
一軒一軒外壁の装飾や模様が違っていて、その色合いや形を見ていると、本当におとぎの国に来たよう♪
広場を挟んで、同じように白壁にパステルカラーで装飾された家屋が並んでいます。
妻飾りの家屋は、この広場一帯だけです。
教会や集会場のほか、民俗博物館やレストランも数軒あります。
なお小さな村なので、世界遺産に指定されている歴史保存地区を散策するだけなら、1時間ほどあれば回れます。
プラハからのアクセス
プラハからは、まず南ボヘミアの街チェスケー・ブディヨヴィツェまで電車で約1時間半、バスに乗り継いで約40分です。
チェスケー・ブディヨヴィツェ駅前にあるバスセンターは、ショッピングモールの屋上にあります。
待合室には行き先案内の電光掲示板があるので、乗り場も分かりやすいです。
切符は、乗車の際に運転手さんに支払います。
バスの本数は、平日は何本もありますが、土日曜日は極端に少なくなります。
行かれる方は、できれば平日に行かれることをおすすめします。
まとめ
今回は、実際私が訪れた、プラハから日帰りできる世界遺産を5つ紹介しました。
いずれも交通機関を使って行ける場所なので、ぜひチェコ旅行の際は訪れてみてくださいね。