長良川鉄道の鉄印旅。
途中下車の旅でおすすめするのが、美濃市の「うだつの上がる町並み」です。
今回は、このうだつの上がる町並みの見どころを紹介します。
うだつとは
「うだつ」とは、江戸時代に屋根の両端に造られた防火壁のことです。
時代とともに、当時の豪商たちは、豪華なうだつを造ることで自身の財力を示すようになりました。
そのため、今では「出世が出来ない、金銭的に恵まれない」ことを「うだつが上がらない」と言うようになりました。
旧今井家住宅
うだつのことを知るために、まずは市指定文化財で美濃資料館になっている「旧今井家住宅」を訪れました。
館長さんから、うだつの歴史や見どころ、旧今井家住宅の特徴、美濃和紙などについて教えていただきました。
こちらのうだつは最も古い形のもので、鬼瓦が小さくシンプルな造りになっています。
町並みの特徴でもある低い二階建て構造と大きな窓の格子は、江戸時代参勤交代の際、殿様を見下ろさないための工夫だとか。
屋敷の奥には、資料館として使われている蔵が並んでいます。
庭にあるのは、水琴窟。
この水琴窟の音色は「日本の音風景百選」にも選ばれていて、正に箏のような澄んだ音色がします。
個性的なうだつの家々
こちらの町のうだつは、いろいろな種類があるのが特徴です。
まずは、国の重要文化財でもある「小坂家住宅」。
うだつに、鬼瓦がありません。
約250年前に建てられた造り酒屋さんで、屋根が丸みを帯びて下がっています。
お客様への敬意を表した商人の屋敷に見られる特徴だそうです。
岡家のうだつは、うだつ飾りがとても豪華なのが特徴です。
岡家は江戸時代から続く旅館で、宿の宣伝の意味もあったのではないかとのこと。
変わり種は、平田家・古川家の2つ並んだうだつ。
うだつは、本来家と家の間に1つあるのですが、このように2つ並んでいるのはとても珍しいとのこと。
両方とも明治になって造られたもので、後に造った右側の古川家が少しうだつが高く豪華になっているのが、隣人関係を表しています。
旧名鉄美濃駅
美濃駅の近くにあるのが、国の登録有形文化財になっている「旧名鉄美濃駅」です。
明治44年から平成11年まで、90年あまりも使われた駅舎が保存されています。
美濃市出身の歌手野口五郎さんのヒット曲「私鉄沿線」の舞台だそうで、構内には野口さんに関する展示もありました。
当時の電車の車両も展示されています。
まとめ
美濃市駅から徒歩約10分のところにある、うだつの上がる町並み。
うだつにはいろいろなバリエーションがあり、その違いを見つけるのがとても楽しかったです。
また美濃市は、うだつのほかにも、美濃和紙など見どころがたくさんある町です。
ぜひ時間をかけて散策するのをおすすめします。